2025.11.11

ギフト

お中元の時期はいつ?全国6地域の違いと贈り忘れた時の対処法

image

いざお中元を贈ろうと思っても、「いつ送ればいいの?」「地域によって違うの?」と迷うことはありませんか。お中元は、時期や地域の風習を理解して贈ることで、相手により丁寧な印象を与えられます。

この記事では、お中元を贈る時期の目安や地域ごとの違い、時期を逃したときの対応方法までわかりやすく解説します。

初めての方も、マナーを確認したい方も、贈るタイミングの参考にしてください。

お中元を贈る時期はいつからいつまで?

image

お中元を贈る時期は、地域によって異なります。一般的には7月初旬から8月中旬までの間に贈るのが基本です。

ただし、関東では7月初旬から7月15日頃まで、関西では7月中旬から8月15日頃までと、地域ごとに慣習が分かれています。

お中元を贈る際は、相手の住んでいる地域の時期に合わせることが大切です。適切な時期に贈ることで、日頃の感謝の気持ちをしっかりと伝えることができます。

一般的な時期の目安

お中元の一般的な時期は、7月初旬から8月中旬までが目安となります。

全国的に最も多いのは、7月15日を中心とした前後の期間です。関東地方では7月初旬から7月15日頃まで、関西地方では7月中旬から8月15日頃までとなっています。

迷った場合は、7月初旬から中旬に贈るとよいでしょう。この時期であれば、ほとんどの地域で適切なタイミングとなります。

お中元の由来とお盆との関わり

お中元の始まりは、中国の昔の行事「三元(さんげん)」にあります。

三元とは、1月15日の「上元」、7月15日の「中元」、10月15日の「下元」という3つの日のことです。このうち「中元」は、目上の人に感謝を伝える大切な日とされていました。

この習慣が日本に伝わると、日本に昔からあった「お盆(先祖の霊を迎える行事)」と結びつきます。どちらも7月15日ごろに行われていたため、同じ時期に「感謝の気持ちを表す日」として広まったのです。

そして江戸時代になると、先祖への供養だけでなく、日ごろお世話になっている人へ贈り物をする風習に変わりました。

このころから、お中元は今のように「感謝の気持ちを形にして伝える夏の贈り物」として定着したのです。

【地域別】お中元の時期一覧

image

お中元を贈る時期は、地域によって1か月以上の差があります。これはお盆の時期や風習の違いによるものです。

以下の表に、全国主要地域のお中元時期をまとめました。迷ったときは「早い地域(関東)」に合わせて送ると安心です。

以下の表に、全国主要地域のお中元時期をまとめました。迷ったときは「早い地域(関東)」に合わせて送ると安心です。

※各地域の一般的な目安です。贈り先の慣習を優先してください。
地域 お中元を贈る時期 特徴・ポイント
北海道 7月下旬〜8月15日頃 夏の始まりが遅く、旧盆に合わせる傾向。
東北・関東 7月初旬〜7月15日頃 新暦に合わせる早い時期。企業間は早めが多い。
北陸 7月15日〜8月15日頃 関東型・関西型が混在。先方の慣習確認が無難。
東海・関西・中国・四国 7月中旬〜8月15日頃 お盆に合わせる文化が強く、関東より遅い。
九州 8月1日〜8月15日頃 旧盆文化が根強い。南部ではさらに遅い場合も。
沖縄 8月中旬〜9月初旬(旧暦お盆) 旧暦に基づき年により変動。

地域の慣習を踏まえて贈ることで、相手に配慮した丁寧な印象を与えられます。

北海道

北海道では、8月15日頃までにお中元を贈るのが一般的です。

これは、旧盆(8月15日前後)に合わせて贈る風習が根づいているためです。気候的にも夏の始まりが遅いため、全国よりも約1か月遅れて贈る傾向があります。

お中元を贈る時期に迷ったら、「8月上旬に届くように手配する」と覚えておくとよいでしょう。

関東・東北地方

関東や東北では、7月初旬から7月15日までにお中元を贈るのが一般的です。

由来は、明治時代に東京を中心に新暦が採用されたことによります。この地域では、7月15日を過ぎる「暑中見舞い」として贈るのが礼儀とされています。

企業間での取引が多い関東では、早めに届くよう手配するのが望ましいとされています。

北陸地方

北陸地方は地域内でも差があります。

富山県や石川県の一部では関東に近い7月15日頃までに贈りますが、新潟県や福井県では関西文化の影響を受け、8月15日頃まで贈ることもあります。

取引先や親戚が複数地域にまたがる場合は、贈り先の慣習に合わせるのが確実です。

東海・関西・中国・四国地方

これらの地域では、7月中旬から8月15日頃までが一般的なお中元時期です。

特に関西では旧盆に合わせて贈る習慣が強く、「8月15日までに届くように」とされています。関東に比べて時期が遅いため、取引先が関西にある場合は贈るタイミングをずらすことが大切です。

お中元をお盆の行事と結びつけて考えるのが特徴です。

九州地方

九州では、8月1日から8月15日頃までにお中元を贈るのが一般的です。

関西と同様に旧盆の文化が根強く、8月中旬までを目安に贈ります。特に鹿児島など南部では、旧暦の行事に合わせてさらに遅い時期になる場合もあります。

お中元が遅れそうな場合は、「暑中見舞い」として対応するのがマナーです。

沖縄県

沖縄では、旧暦のお盆に合わせてお中元を贈るため、毎年時期が変わります。

例年、8月中旬から9月初旬にかけてが目安です。贈り物の文化が深く根づいており、「お中元」は親族や知人とのつながりを大切にする行事として位置づけられています。

本土とは時期がずれるため、贈る際は旧暦の日程を事前に確認しておくと安心です。

お中元を贈りそびれたときの対応

image

お中元の時期を過ぎてしまっても、感謝の気持ちは「暑中見舞い」や「残暑見舞い」として丁寧に伝えることができます。形式にこだわりすぎず、時期に合った形で贈ることで、相手に誠意を感じてもらえるでしょう。

以下では、それぞれの送る時期と、のしの書き方について解説します。

暑中見舞いとして送る時期

お中元を贈る時期を少し過ぎた場合は、「暑中見舞い」として贈るのが一般的です。

地域によってお中元の最終時期は異なり、関西や九州などではお中元を8月15日頃まで贈る風習があるため、その約1週間後(8月20日頃)までであれば「お中元」として扱われる場合もあります。それを過ぎたら、暑中見舞いに切り替えるのが自然です。

地域 お中元の最終目安 暑中見舞いを送る目安
北海道 8月15日頃 8月16日〜8月20日頃
東北・関東 7月15日頃 7月16日〜8月7日頃
北陸 8月15日頃 8月16日〜8月20日頃
東海・関西・中国・四国 8月15日頃 8月16日〜8月20日頃
九州 8月15日頃 8月16日〜8月20日頃
沖縄 9月初旬 9月初旬を過ぎたら残暑見舞いに切り替え

暑中見舞いでは、贈る品物や金額はお中元と同程度で構いません。「暑さ厳しき折、ご自愛ください」といった一言を添えると、より丁寧で心のこもった印象を与えられます。

残暑見舞いとして送る時期

立秋(8月7日ごろ)を過ぎたら、全国的には「残暑見舞い」として贈るのが一般的です。

ただし、地域によって気候やお盆の時期が異なるため、関西や九州などでは8月中旬、沖縄では9月初旬までは残暑見舞いの時期として扱われます。贈り先の地域の風習に合わせて表書きを切り替えると、より丁寧な印象を与えられます。

地域 残暑見舞いの目安 注意点
北海道 8月中旬〜9月初旬 夏が短く、9月上旬でも問題なし。
東北・関東 8月7日〜8月末 8月末までに届くよう手配。
北陸 8月7日〜9月初旬 お盆明けを意識すると自然。
東海・関西・中国・四国 8月7日〜9月初旬 旧盆合わせが好印象。
九州 8月7日〜9月初旬 暑さが長引くため9月上旬でも可。
沖縄 8月中旬〜9月10日頃 旧暦お盆に合わせるのが一般的。

残暑見舞いの贈り物は、冷たい飲み物や涼感のあるお菓子などが喜ばれます。

メッセージには「残暑厳しい折、どうぞお健やかにお過ごしください」など、季節に合った言葉を添えると好印象です。

のしの書き分け

お中元・暑中見舞い・残暑見舞いでは、のし紙の表書きを時期に合わせて変えることが大切です。すべて「紅白蝶結び」を使用しますが、表書きを誤ると形式上、失礼になることもあります。

表書き 使用するのし 備考
お中元 紅白蝶結び 日頃の感謝を伝える基本的な表書き
暑中見舞い 紅白蝶結び 暑さを気遣う季節の挨拶として使用
残暑見舞い 紅白蝶結び お中元が遅れた際の自然な代替表現

時期に応じた表書きを正しく使い分けることで、形式を守りながらも、相手に思いやりの気持ちを伝えられます。遅れても焦らず、季節の挨拶に切り替えることで、丁寧で心のこもった贈り方ができます。

相手別に見るお中元のベストタイミング

image

お中元を贈るベストタイミングは、相手との関係性によっても変わります。

取引先や上司には早めに贈るのがマナーとされています。一方、親族や友人には比較的柔軟なタイミングで贈ることができます。

相手に合わせた適切なタイミングで贈ることで、より丁寧な印象を与えることができます。関係性を考慮しながら、計画的に準備を進めましょう。

取引先・上司

取引先や上司へのお中元は、各地域の期間の早めに贈るのがマナーです。

関東地方であれば7月初旬、関西地方であれば7月中旬には届くように手配しましょう。ビジネス関係では、他の方よりも早く贈ることで礼儀正しい印象を与えることができます。

特に取引先が複数ある場合は、贈る順番にも配慮が必要です。重要度の高い取引先から順に手配すると安心です。配送の遅延も考慮して、余裕を持って1週間から10日前には発送手続きを済ませましょう。

親族・友人

親族や友人へのお中元は、比較的柔軟なタイミングで贈ることができます。

各地域のお中元期間内であれば、前半でも後半でも問題ありません。ただし、お盆休みに帰省する予定がある場合は、その前に届くように手配すると喜ばれます。

親しい間柄であっても、基本的なマナーは守ることが大切です。地域の時期に合わせて贈ることで、相手への配慮を示すことができます。迷った場合は、各地域の期間の中間頃を目安にするとよいでしょう。

お中元に関するよくある質問(FAQ)

お中元の時期やマナーには、地域や関係性によって細かな違いがあります。

ここでは、よくある疑問に対して解説します。

年によってお中元の時期は変わる?

基お中元の時期は基本的に毎年同じですが、年によって若干のズレが生じることがあります。これは、立秋の日(8月7日前後)やお盆の日程が年ごとに少し変わるためです。

贈る際は、その年の立秋や地域のお盆時期を確認しておくと安心です。

お中元とお歳暮の時期の違いは?

お中元は夏(7月〜8月)に贈り、1年の前半の感謝を伝えるものです。一方、お歳暮は(12月上旬〜20日頃)に贈り、1年の締めくくりとしてお世話になった人へのお礼を伝えます。

お中元が中間報告、お歳暮が年間の感謝と覚えるとわかりやすいでしょう。

喪中の相手にお中元を贈ってもいい?

喪中であっても、お中元は問題なく贈れます。お中元は仏事ではなく、感謝を伝える贈り物だからです。

ただし、忌中(四十九日)期間中であれば、時期をずらすか「暑中見舞い」として贈るのが丁寧です。包装は派手な色を避け、落ち着いたデザインを選ぶとよいでしょう。

受け取ったお中元にお返しは必要?

お中元は「感謝の気持ちを贈るもの」なので、基本的にお返しは不要です。

ただし、特に高価な品を受け取った場合やお世話になっている相手から届いた場合は、「お中元のお礼状」や「暑中見舞い」で感謝を伝えるのが礼儀です。現金や同額の品で返す必要はありません。

お中元をやめたいときはどう伝える?

お中元をやめたいときは、突然やめるのではなく、段階的に減らすのがマナーです。

たとえば、1年は「暑中見舞い」に切り替え、翌年から贈らないようにすると自然です。言葉で伝える場合は、「これまでのお付き合いへの感謝を込めて、今後はご挨拶に代えさせていただきます」と柔らかく伝えると角が立ちません。

まとめ|地域と時期を意識して、気持ちよく贈ろう

お中元は、日頃の感謝を伝える大切な日本の習慣です。贈る時期は全国共通ではなく、地域によって1か月以上の差があります。贈り先の住む地域に合わせて送ることで、相手により丁寧で誠実な印象を与えられます。

また、時期を過ぎても暑中見舞いや残暑見舞いとして贈ることで、無理なく気持ちを伝えられます。地域の風習と季節感を意識しながら、心を込めた贈り物で感謝を届けましょう。